食卓用陶磁器って何?
食卓用陶磁器とは、その名の通り、食卓で使われる陶磁器のことです。
一番身近で、一番よく使われている陶磁器は、強度はもちろん、
さまざまな形や色・絵なども重視され、みなさんの日常に彩りを与えて
くれます。
そんな食卓用陶器や食卓用磁器でも製造方法などにより種類があります。
【 食卓用磁器 】
1.硬磁器(硬質磁器)
溶解を促進する融剤が少なく、高温で焼成された磁器。
特徴としては、非常に硬く、傷がつきにくい。
強化磁器などがこの種類。
2.軟磁器(軟質磁器)
硬磁器に比べて、融剤が多く、低温で焼成される磁器。
特徴としては、各種の色合いの下絵付けが可能だが、強さや硬さは劣る。
ボーンチャイナなどがこの種類。
【 食卓用陶器 】
1.硬質陶器
1200~1300度の高温で焼かれた陶器で、磁器と陶器の中間的な
要素を持ち合わせている。
白地ではあるが、磁器のように透光性はない。
長石を含有しているので、「長石質陶器」とも呼ばれる。
2.軟質陶器
石灰石を多く含む粘土を用いて作った軽くて比較的強度が大きな陶器。
日本では、白雲石(ドロマイト)に石灰石を併用したものが多いため、
「白雲陶器」ともよばれている。
磁 器 ・ 陶 器 の 取 扱 い 方
石ものとよばれる「磁器」は、扱い方を乱暴にしなければ、強度の高い製品であるため
壊れたり・割れたりすることは、ほとんどありません。
(まれに、横からの衝撃や急激な熱差によりひびが入ることもあるので、ご注意ください)
吸水性も低いので、表面についた水滴は、布巾できれいに拭いて下さいね。
金や銀、プラチナが使われていたり、上絵が施されているものは、
傷がつくといけないので、洗う時には十分気をつけて下さい。
また金や銀が使用されている磁器の電子レンジ使用は、出来る限り
止めてください。火花が出ることがありますよ!!
土ものと呼ばれる「陶器」を長くお使いいただくためには、使い始める前の下処理が
重要になります!
STEP 1 高台の処理
高台とは、器の底のことで、テーブルと接する部分のことです。
売られているものの多くは、ちゃんと削って傷がつきにくくなっていますが、
さわって気になるようならば、紙やすり等で軽くこすってキレイにしてあげましょう!
高台部分
STEP 2 煮沸
買ってきたらまず軽く器を水洗いし、表面の汚れをとりましょう!
つぎに、お米のとぎ水を鍋にいれ、その中に軽く洗った器を入れます。
とぎ水が少ない時は、普通のお水を足して下さい。
鍋を火にかけ、沸騰したら火を弱め、数分~数10分(量による)ほど
煮沸して下さい。
器が躍るような強火は、割れる危険があるので、止めましょう!
煮沸したら、火を止め、器を鍋に入れたまま、ゆっくり冷まします。
冷めたら、水洗いし、しっかりと乾燥させましょう!
(時間がない時は、水にしばらく浸けておくだけでも違いますよ!)
このひと手間で、陶器の中に料理の汁が染み込むのを防ぎ、
臭いがつきにくくなります!
また十分に乾燥させないと、カビの原因になりますので、ご注意を!
普段は、どうしたら良いのでしょうか?
普段の注意点は2つ
1.使い終わったら、すぐに食器用洗剤とスポンジで優しく洗い
汚れを流しましょう!
(つけ置き洗いや食器洗浄機は、使わない方がいいですよ。
水が染み込みやすい為、変な臭いがつくことがあります。
食器洗浄機の水流は、強いので傷がつくことがあります。)
2.充分に乾燥させましょう!
布巾で拭いただけでは、充分に乾いていない為、臭いやかび
のもととなります。
布巾で拭いた後、しばらく乾燥させてから食器棚へしまいましょう!
もう一歩上級編
使う前にしばらく水につけておきましょう!
購入後の下処理が済んでいても、使う前の器は乾燥しています!
あらかじめ水をなじませておくことで、汁ものなどが染み込みにくく
臭いもつきにくくなりますよ!
その他、製品ごとに取り扱い方法が異なりますので、必ず注意事項を
お読みになってからのご使用をおススメ致します。
手間のかかるものほど、愛着は、わくものです。
みなさんも、お気に入りの陶磁器を見つけてみませんか?
参考図書 文部科学省 「セラミック工業」
日本陶磁器卸商業協同組合連合会青年部 「新やきもの読本」
陶磁器業界四団体協議会 「やきもの知恵袋」